あなたはこの2つを正しく使い分けが出来ますか?
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人差し指をくいっと絞るだけでネジを回してくれる夢のようなマシーンです
まぁそこまで大げさなものではありませんが、ネジを締めこむことを生業としおられる方にとっては無くてはならない相棒です。
時には鉄板に風穴を開けるという芸当もやってのけます。
インパクト?ドリルドライバー?充電式?
色々ありすぎて良くわからないという方のために,これから分かりやすく説明をしていきましょう。
数ある電動ドライバーを一番大きく分類すると、以下の2種類に分ける事が出来ます。
1つはバッテリー式、もう一つはコード式です。
工場や作業場で使うならコード付きがおすすめ
電源も確保出来て、付属のコードで届く範囲の作業なら特に問題はありません。
一日フルに使いっぱなしならコード付でないとバッテリーが持ちません。
バッテリーは1回充電するごとに寿命が短くなります。一日に何度も充電が必要なら当然、傷みも早くなります。
また、長時間持ち続けるならバッテリーが無い分少し軽いこちらの方が有利です。
工事現場など、屋根の上や床の下と色んな所で作業するにはコードレスでないと仕事になりません。
最新のモデルはLEDライトでドライバーの先端を照らしてくれるので、暗い場所でもネジが見えないなんて事もありません。
またバッテリー性能が向上したことにより、使用可能時間も延びパワーも上がっています。
デメリットとして連続して使うために予備のバッテリーが必要なこと、バッテーリーには寿命があることなどを考えると充電ドライバーはライニングコストが高くなります。
インパクトとは打撃のことです。
見た目は電動ドリルドライバーもインパクトドライバーもほぼ同で区別がつきません。
インパクトドライバーとは回転方向に向かって打撃を加えながら回転します。
こんな時に便利
その1)錆や汚れで固くて回せない(回らない)ネジでもインパクトドライバーを使えば簡単に回せたりします。
その2)木を重ね合わせねじ止めする場合、厚みによって長めの木ネジを使うと思います。これを電動ドリルドライバーで締め込むのは大変です。インパクトドライバーを使えば楽に締め込む事が出来ます。
ネジ折れ注意
インパクトドライバーは力が有り過ぎて、ネジを折ってしまう場合があります。
例えば木の節など固い部分でネジが入りにくい場合、力まかせに無理をするとネジが折れます。
穴あけには不向き
基本的には穴開け用ではありません。
一般的なドリル刃は回転で穴を開けるように設計されています。
回転+打撃を加えるインパクトは刃先を痛めたり、細いドリル刃を折ってしまう場合もあります。
スピード調整
インパクトドライバーは指先で回転スピードを調整するので、少し慣れが必要です。
急発進は危険です、最初はゆっくりとスタートします。
ドリルネジや木ネジを使う場合
初めは位置がずれないように低速回転で素材に穴を開け、そこから力と回転を加えてねじ込みます。
手首と肘の角度は固定して、ねじ込む方向に向かってインパクトドライバーを前に押し出すようにします。
このように穴を開けながらねじ込むという作業はインパクトドライバーには向いています。
DIYで主に木工の組み立て作業などをされる場合はインパクトドライバーがおすすめです。
ネジを締める場合
機械や自動車など金属や樹脂のネジ穴がある物に対してネジを締め込むような場合は、スピードコントロールが重要になります。
人がドライバー(手回し)でネジを締め込むとき、ネジ頭がくっついて回らなくなってから少し力を加えて止めます。
これをインパクトドライバーでは、レバーの握り具合で調整します。
フルスピードで最後まで締め込むとどうなるか
1)樹脂や薄い鉄板の場合、ネジ穴がつぶれて空回りします。これでは固定が出来ないのでネジの役目を果たせません。
2)ネジ頭がつぶれます。頭がつぶれたネジは当然外ずすことが出来なくなります。
もう一つ注意が必要な事は、ネジを真っすぐ入れることです。
通常ならネジ穴の溝とネジの山が噛合っていないと、手の力では固くて回りません。
しかしインパクトドライバーは力が強いので、その山と溝を潰しながらでもねじ込んでしまいます。
こうなると、ネジやネジ穴はもう使えません。悪くすればネジが途中で折れて抜けなくなる場合もあります。
ネジ頭を潰さないために
インパクトドライバーの先端につけるドライバービットは消耗品です。すり減る前に早めに交換しましょう。
ネジを締める時にはドライバービットとネジの頭をしっかりと密着させ、押さえつけながら行います。
※この時にガタが出る場合、ドライバービットの摩耗またはドライバーのサイズが合っていません。
締め込み時に抵抗を感じた場合は無理に押し込まず、反転して一旦ネジを抜く。
少しでも、なめてしまったネジは新しい物に交換する。
インパクトドライバーをマイナスネジに使用しない。
非常に滑りやすいのでおすすめしません。
回転と回転+打撃を切替える事が出来ます。
「ならこれでいいじゃないか」とは簡単には言えないのが価格です。
普通のインパクトドライバーに比べ1万~1万5千円くらい高くなります。
インパクトとドリルドライバーの2台持ちを考えると割安感があるのではないでしょうか。
しかし、壊れた時は両方同時に失う事になります。
手動で打撃を加えるドライバーです。
ショックドライバーとも言われています。
ネジを緩めるのが用途
電動インパクトドライバーは強い力でねじを締め込むのが主な用途でした。
手動インパクトドライバーはその反対です。
錆やよごれで固まって抜けないネジを回すために使います。
使い方
使い方は簡単で、ハンマーでドライバーの尻を殴ります。
ドライバーの内部では受けた打撃を回転に変えて先端を回します。
優しく殴る
いきなりぶん殴ると相手が傷つきます。
ネジ穴をなめてしまったり、頭を飛ばしてしまうという最悪の事態になりかねません。
化石の発掘ではありませんが、最初はコツコツと確認しながら殴りましょう。
ネジが固まる
ネジは回して外すというのが当たり前のことですが、固まったネジは回せません。
固まるというのは、ネジ穴の溝とネジ山の隙間にゴミが詰まった状態です。
ここに打撃を加え、その衝撃で隙間を作ってあげようという事です。
強力な力で回すのではなく、まさにimpact(衝撃)を与えて緩めるのが目的です。
安物厳禁
主に殴るものなので、丈夫なやつでないとダメです。
そんなに頻繁に出番がある物ではないので、安ものでいいやとなりがちです。
しかし、そういうやつほど打たれ弱かったりします。
いざという時にこそ役立てたいものだけに、骨太なやつを用意しておきましょう。
主な用途は穴あけとネジ締めです。
インパクトドライバーとの大きな違いはトルク調整が出来る事です。
この機能を使えば、初めての方でも簡単にネジ締めが行えます。
ドリルモード
このドライバーの最大トルクで回転します。
やはり穴を開けるには力が必要なので、必ずドリルモードを使います。
キーレスチャック
このチャックと言う部分に先端工具(ドライバービットやドリル刃)を取り付けます
チャックという機構により色々な太さのドリル刃を取り付ける事が出来ます。
チャックの構造は、3枚の爪をドリル刃の径に合わせて広げたり閉じたりしながらサイズを合わせ挟み込んで固定します。
昔は締め込むためにキー(カギ)というパーツが必要でしたが、今はその名の通りキーレスで取付出来ます。
スピード調整
インパクトドライバー同様、回転スピードはレバーを握る指先で調整します。
インパクトドライバーのようにネジの締め終わりを気にする必要はありません。
ドライバーモードには締め込むトルクを設定する事が出来るので締めすぎる心配はありません。
トルクとは
ジャムのびんを想像して下さい。未開封のフタは固そうですよね。
娘→開かない 母→開かない 父→開く
これがトルクです。父のトルクが一番強いという事になります。
この蓋を父が締めたらどうなるでしょう?
娘と母が次に使おうとしたときには開けられないでしょう。
皆が開けれるようにするには、娘のトルクで閉めておくのがよさそうですね。
結論から言うとあなたの用途によって決まります。
もちろん両方持っていて使い分けが一番いいのですが、プロでもない限りそこまでは必要ありません。
木工するならインパクトドライバー、それ以外なら電動ドライバーという考え方で良いと思います。
職業別で例えるなら、大工さんならインパクトドライバー、電気屋さんなら電動ドライバーという感じでしょうか。
どちらでも代用は出来ますが、よほど慣れた人でないと失敗のもとになります。
個人的にはインパクトドライバーで両方やるタイプです。
最後にもう一つ、安い物を2つ買うという選択は間違いです。
その予算でより良い物を一つ購入して下さい。
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