結露対策を行うためには、その原因を知る事から始めよう

今すぐできる簡単な方法だけでもそれを解決できるかもしれません

窓の水滴

(更新日:

結露は水だから放置しても問題ない?

ほおっておくと、大変なことになる場合もあるあんです

具体的な害とは?

一つ目は結露により発生するカビで健康被害。二つ目は結露の影響で建物の柱や壁などの木材を腐食させる

結露とは

すごく簡単にいいますが、空気中に含まれる水蒸気が水滴に変わる現象です。

またその多くは不快に感じるもので、色々な物に悪影響を及ぼす原因となります。

コーヒー

誰もが経験している身近な結露

夏場コップに冷たい水を注ぐと、表面に水滴がつきますよね!これは誰もが一度は経験したことがあると思います。

コップを持ち上げると下に敷いたコースターが一緒にくっついてきた!なんてことありますよね。

結露の原因

湿度計

空気中に含まれる水蒸気が水滴になるという事なんですが、 このように水蒸気から水滴に変化するには理由があります。

水が水蒸気に変化する様は簡単に想像できますよね。 そう、やかんに水を入れてお湯を沸かした時のあれです。

じゃあ水蒸気を冷やせば水になりそうですよね。

そもそもお湯を沸かさなくとも水蒸気は空気中にふくまれているわけですから 一定の条件で空気が冷やされれば水滴に変化(結露)するというわけです。

空気がある場所ではどこでも結露が起こる可能性があるという事になります。

結露の正体

コップに冷たい水を注いだ場合、その水がコップに接する部分の温度が下がりますよね。

周囲の温度差によって水蒸気が水滴に変わる、これが結露の正体です。

  • 温度が高い → 水分を多く含むことが出来る
  • 温度が低い → 水分を含める量が少なくなる

かなりざっくりですが、雰囲気だけでも判っていただけたでしょうか?

結露を防止するには

結露の発生する原理はわかりました。では普段の生活の中でよくある結露について少し見てみましょう。

結露は夏冬通して起こるものです。 室内では、温度差の出来やすい部分(室温より温度が低くなる部分)や空気が流れない部分は注意が必要です。

結露が起こりやすい場所

  • 各部屋の窓周辺
  • お風呂・洗面・脱衣場
  • トイレ、クローゼット、タンスや食器棚などの裏側
  • エアコン周辺

お風呂場の結露

冬場のお風呂で、背中に冷たい水滴がぽたり。こんなこと皆さんも経験された事があるのではないでしょうか。あれって本当、心臓にわるいですよね。

これもまた浴室内で発生した結露の仕業なんです。

皆さんのお宅でお風呂の場所は何処ですか?たいていの場合建物の隅っこにあり、家の中でも比較的温度が低くなる部分です。

そこで温かいお湯を大量に使うのですから、そこはまさに水滴生成工場みたいなものです。この作られた水滴の被害に合うのはお風呂に入る順番が後になればなるほど大きくなります。

しかし使い方しだいでは冬のお風呂場で発生する結露を最小限に抑える事も可能です。

やってはいけない事

お風呂の蓋を使用していない

お風呂にお湯が張ってある状態の時は必ず蓋を閉めてください。

入居された時に袋のままクローゼットにしまい込んでる方はすぐに取り出して使ってくださいね。

お風呂がカビだらけになるまえに急いで下さい。

お湯で浴室内を温める

浴室内が寒いからと入浴前にシャワーなどを出して浴室内を温めるのはNG。

お湯張りの時に蓋をあけっぱなしにするのも同様です。浴室乾燥機などの暖房機能を利用して入浴前に室内を温めてください。

換気扇を使わない、または回しっぱなし

浴室内が曇るカガミが見えないなどの理由で換気扇を回しっぱなしで入浴される方を多いかと思いますが、入浴中は換気扇を停止される方が結露はおこりにくくなります。

室内の曇りが気になる場合は、浴室乾燥機の乾燥や暖房機能運転を行って下さい。

そして入浴後は速やかに換気運転を行って下さい。もちろんお風呂の蓋も忘れず閉めてください。

家族が多くお風呂の利用時間が長い場合は水蒸気の発生も多くなり、それだけ結露が起こりやすくなります。

一人ひとりが上記の内容をきっちりと実施する事でお風呂の天井にびっしりとついた水滴を見る事は無くなると思います。

※但しその他条件によっては必ずこの限りではありません。

結露対策

温度差0℃ 湿度0パーセント え!そんな事出来るわけない!ですよね。

まぁそれは冗談として、原理として頭の隅っこに置いててください。

結露対策として最強なのは、換気と除湿です。冬場には寒いので換気を止めて、乾燥を防ぐために加湿器をフル回転。よくやりがちな光景ですが、その副産物として大量の結露が発生します。

今すぐ出来る結露対策

最近では建物自体で対策されているものが多くなりました(外壁断熱、サッシの断熱、ペアガラスなど)他にも24時間換気システムなども結露対策には貢献します。

換気

そもそも結露を防ぐためには室内に湿気を多く含んだ空気を停滞させない事が大切です。換気を行って湿気が多い空気を排出するよう心がけましょう。

24時間換気システムがあっても止めている方も多くいらっしゃいます。結露を予防するためには冬場や夜間であっても出来るだけ常時運転を行いましょう。

こうったシステムが無い場合には気を付けてこまめな換気を行って下さい。特に雨の日の部屋干しや、入浴中、料理などで火を使う場合にも湿気が発生しやすいので気を付けて換気を行いましょう。

除湿

湿度が高くなり空気中の水蒸気が一定の範囲を超えると結露が発生します。また湿度が高い状態で周りの温度が一定以下になると結露が発生します。結露を防ぐためにはこの湿度が高い状態を作らないことです。

そこで一番オーソドックスで確実に湿度を下げる方法が除湿器を使う事です。比較的コンパクトで家中どこにでも持ち運びが簡単なので湿気のたまるクローゼットの中で使う場合にも最適です。

もう一つはエアコンの除湿モードを使う事です。エアコンの除湿運転は空気を冷やして行うので冬場には向きませんが、湿度の高い梅雨から夏場のシーズンにかけて活用すれば、室温も保たれて快適です。

除湿剤を置かれている方も多いと思いますが、置いた周辺の湿気を取るだけなら良いのですが部屋全体への効果は望めません。

暖房器具

冬場に起こる結露において、部屋を暖めるため当たり前のように使っている暖房器具も大きく影響しているのをご存知ですか?

[結露が発生しやすい暖房器具]

燃焼系で開放型の暖房器具は燃焼により大量の水蒸気をは発生させます。よって結露が起こりやすい状態を作ってしまいます。

次のような物があります

  • 石油ストーブ
  • 石油ファンヒーター
  • ガスストーブ
  • ガスファンヒーター

[結露が発生が抑えられる暖房器具]

燃焼系でも非開放型の暖房器具は給排気を室外で行うため部屋の空気には影響しません。

電気系の暖房器具

  • 電気ストーブ
  • エアコン
  • パネルヒーター
  • オイルヒーター
  • ホットカーペット

床暖房についてはガス式もありますが、燃焼する熱源は室外にあるので問題ありません。

通気

押入、クローゼット、タンスには物を詰めすぎないこと。

吊るしてある衣類などは出来るだけすき間をあけるなどして風通しをよくしましょう。

こまめに扉をあけたり、サーキュレーターなどで強制的に風を循環させましょう。

結露がひどい場合は除湿器などを活用しましょう。

結露対策グッズ

結露を予防したり低減させるための商品も販売されています。

これだけで結露を無くす事は出来ませんが、先に紹介した対策と兼用する事でさらにその効果を高める事が出来ます。

サーキュレーター

サーキュレーター

結露が発生しやすい窓周辺に向けて風を送り空気を循環させます。これで滞留した空気が窓で冷やされるのを防ぐ事が出来ます。

他にもクローゼットなどの風が通らない部分の空気を強制的に入れ替えます。

扇風機でもいいの?

サーキュレーターの方が真っすぐ遠くへ強い風を送ることが出来ます。

扇風機の風は全体に拡散するので効果は弱くなります。

また窓の場合はカーテンを閉めているとその効果は得られません。

結露防止シート

グッズによる対策として窓にシートを貼ることで断熱効果が上がり結露を低減するという物です。

現状でかなりひどい結露が発生している場合、このシートを貼ることで低減はすると思いますが完全に防ぐ事は難しいと思います。普段の結露対策と兼用して使うのが良いのではないでしょうか。

結露吸水テープ

結露が発生する部分の下(窓枠の下など)に貼るテープです。テープが吸水素材で出来ているので流れ落ちた水がそこで吸い 取られます。貼る場所に合わせて自由な長さにカットできるので簡単です。かわいい柄やオシャレなデザインの物までホームセンター や100均などで販売されています。

食器用洗剤で拭く

希釈した食器用洗剤でガラス面を拭いてコーティングします。洗剤に含まれる撥水成分により水滴がつきにくくなるという物です。

これならどこのお宅にも有る物なので新たな費用をかける事なく手軽に始められます。他の対策と兼用して結露を低減させるために役立ててみてはいかかでしょうか。

既に結露が発生している場合

今まで紹介した結露対策はあくまで結露を防止するためのモノです。窓に水滴がついてしまった場合はそのまま放置せずキレイに拭取りましょう。

バケツ

雑巾で拭く

一番オーソドックスなやり方ですが、雑巾さえあればすぐに出来ますよね。

拭くときは水滴が垂れないように下から上にゆっくり 行って下さい。

新聞紙で拭く

雑巾と同じですが、使い捨てが出来るので後始末が楽です。また新聞紙の油分で窓の汚れも取ってくれるので一石二鳥ですよ。

結露がひどい場合窓に貼り付けるような感じで先に吸い取れば下に水をこぼす事もありません。

結露取りワイパー

その名の通り車のワイパーのような形をしたゴムヘラです。ワイパー部分で窓をかき取るようにこするだけでキレイに 水滴が取れます。

また持ち手の部分に水がたまって下にこぼれません。便利グッズとして色々な価格のモノが販売されていますが、100均でも販売されていたいりします。

内部結露と表面結露

今までお話ししてきたような、ガラスや壁などの表面に水滴がたまる事を「表面結露」といいます。

結露は条件さえ揃えばさまざまな所で発生しますが、そんな中でも建物壁の内部で発生する結露のことは「内部結露」と言われています。

「内部結露」

壁の内部で発生する結露の事で、原理的には一般的な結露と同じです。

水蒸気を含む温かい空気が冷やされる事により起こります。

表面結露との一番大きな違いば目に見えない部分で発生するということです。

これがとても厄介な現象なんです。

窓に水滴がつくような表面結露ならすぐに拭取るというような処置も出来ますが、内部結露は気付かないばかりか仮に気付いたとしても簡単に拭取れるようなものでもありません。

かといって
放置するれば家の柱や土台を腐らせる原因にもなりかねません。

もし発見した場合には

素人にどうにか出来るものではないので、出来るだけ早く工務店などに相談されると良いでしょう。

エアコンの結露

エアコン

エアコンの冷房運転中に吹き出し口から水滴がしたたり落ちたり、水しぶきが飛んできたという経験はありませんか?

これ、エアコンの結露なんです。

結露というと冬のイメージを持たれている方が多いと思いますが夏場でも発生します。

そもそも冷房運転をしたとき、エアコン内部では結露が発生しています。

これは構造上のもので、普通この水は室外へ排水されるので表面に出てくることはありません。

皆さんも一度は見たことあるのでは?
ベランダにある室外機の下あたりから水が流れている、そう!あれです。

では一体この結露はなんなんだ?

普通ではない状態が発生しているという事になります。

考えれる原因として次のような事が挙げられます。

フィルター洗ってますか?

エアコンフィルター

真っ先に確認すべきはフィルターです。これが原因なら洗えば済むので、ものの5分で解決です。

フィルターが汚れると空気が吸い込めなくなり風量が低下します。そうなると室内全体に風が行き届かないので当然冷えません。エアコンは回り続け吹き出し口ばかり冷やされてそこで結露が発生します。

排水が詰まっている。

エアコンドレンホース

手っ取り早くベランダに行きホースを覗いてみましょう。そこにゴミが詰まっていたら取り除きます。

ホースから水が流れている形跡が無ければそれ以前のどこかと言う事になります。電気屋さんに診てもらいましょう。

エアコンの傾き

雨樋

雨水を流す樋(とい)ってわかりますか?お家の屋根のまわりについてる茶色いやつ(白や黒もあります)で水が流れるための溝です。

この樋ですが水を流す方向に傾けて取り付けています。この傾きが逆なら雨の日は水がザバザバと落ちてきて大変です。

エアコンの中に樋!

エアコンの中にも樋(ドレンパンと言います)があります。なのでエアコンはどちらかに傾けて取付されています。 それが排水口がある位置(エアコンの右か左)と逆に傾いているなら逆流してあふれた水が漏れ出します。電気屋さんに診てもらいましょう。

排水の位置はエアコンが付いている壁の裏側を見てホースが出ている方向です。外から見て右ならエアコンは左に傾いている事になります。

エアコンの裏側の壁

エアコンのサイズが合ってない

部屋に対してエアコンのサイズ(能力)が小さい場合、設定温度まで冷やすためにフル回転し続ける事になると思います。

エアコン吹き出し口周辺が通常以上に冷やされた状態になりそこで結露が発生してしまいます。

まずはエアコンの設定温度を少しず上げながら様子を見ましょう。

それじゃ暑くて耐えられない!という方、エアコンの買い替えも検討する必要がありそうです。

結露と加湿

加湿

冬場の結露も困りものですが、室内が乾燥しすぎるとインフルエンザなどウィルスの事が心配になります。

では、結露させないように室内の湿度を保つにはどうすれば良いのでしょうか。

最適な加湿

温湿度系

これはただ闇雲に対策を行ってもダメです。

まずはご自宅の室内環境をしっかりと把握する所から始めて下さい。

大切な事は室内の「温度と湿度」知る事です。

室内環境に最適な温度と湿度
  • 室内の温度が18℃~22℃
  • 湿度が45%~60%

この数値を知るために、温度・湿度計をお持ちでないのなら用意して下さい。

対策を行う部屋に対して一つ設置するようにしましょう。

購入はホームセンターやネットショッピングで簡単に手に入ります。

またそれほど高価な物ではないので、複数買っても負担は少ないかと思います。

後は適切な温度と湿度になるように調整を行います。

暖房器具と湿度の関係

皆さんはどのような暖房器具をお使いですか?

冬場は空気が乾燥すると言われますが、エアコンや床暖房を使う事で室内の乾燥はさらに進みます。

これは室内の温度上昇と、電気暖房器は水蒸気を発生しない事が原因となります。

例えばガスファンヒーターなどの燃焼系暖房器具では空気を暖めながら水蒸気を発生します。

このように今お使いの暖房器具によって、対策も変わります。

電気暖房器具で湿度が下がる場合は加湿が必要ですが、燃焼系の場合は逆に控えないと湿度が上がりすぎてしまうという事です。

加湿器を使う場合の注意点

室内が最適な湿度の範囲内だと言っても加湿を行ことで、結露が起こりやすくなる事は避けられません。

必ず結露対策を十分行った上で加湿器を利用するようにしましょう。

設置場所

窓周辺や部屋の隅など、暖房が行き届かず温度が低くなりがちな場所で加湿器を使用しないで下さい。

出来るだけ部屋の中心において全体にまんべんなく行きわたるようにしましょう。

湿度設定

湿度設定ですが、高ければより潤って良いという事ではありません。

室内の水蒸気が一定だとして、温度が低ければ湿度は上がりますし、高ければ下がります。

例えば室内の温度が高い状態で湿度を60%まで上げたとします、その状態で温度が10℃くらい下がれば結露します。

まぁこれは極端な話ですが、室温に合わせて加湿器も多少は調整する必要があります。

最近では快適なゾーンを示してくれる温湿度計もあるので、少々お高くはなると思いますが持っていれば良い目安になると思います。

また最適な湿度を保ってくれる高機能な加湿器なら、何も気にする必要がなくなるのでこれから購入を考えられるならぜひ検討してみてはいかかでしょうか。


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