アース線はあなたの安全のために必要です。
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例えばコンセントにあるアース端子からアース線を辿っていったとすると最後は地面の中入っています。
もしこのアース線に電気が流れたならば
地面の奥深くに流れていきます。このようにアース線は電気を地面に逃すための道ということになります。
ご自宅にあるコンセントのアース端子につながっているアース線の先には何がありますか?冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなどの電化製品ですね。
これらは電気が流れる製品であるいじょう、故障した場合に電気が漏れ出す可能性があるという事です。もちろん漏れた電気に触れてしまった場合は感電する事になります。
しかしアース線がしかりと接続されていれば、漏れた電気は地面に向かって一直線に流れていきます。電気は流れやすい方へ流れる性質があるので、アースが繋がっていれば人よりアース線の方へ流れていくので感電しません。
このようにアースが接続されていれば、万が一の場合でも人体に電気が流れるのを防ぐことが出来ます。
皆さんは漏電ブレーカーがどんなモノなのかご存知ですよね?ブレーカーはどこのお宅にでも付いていると思いますが、そこに漏電を検知する機能がプラスされたモノを漏電ブレーカーといいます。
電気にトラブル(主に器具からの漏電)が起こるとこの漏電ブレーカーが作動します。日本の電化製品は優秀で漏電なんてめったやたらと起きるものではなく、そんな経験をされたことが無いかもしれません。
そもそも電気が漏れるとはどういう事なのでしょうか
馴染みのある所では、「水漏れ」や「ガス漏れ」などの言葉なら何度か耳にした事があると思います。 現象的には同じことなのに、なぜか電気漏れとは言わないです。
まぁ、それは置いておいて。
漏電も水漏れやガス漏れと同じで、本来の道から外れて流れ出てしまう事です。
この漏れでた電気が火災や感電事故を引き起こす原因になるんです。
水漏れなら目に見えます。ガス漏れなら臭いで分かります。しかし漏電は分からないので厄介です。
そこで人間の代わりに監視してくれる漏電ブレーカーの登場というわけです。
漏電ブレーカーを正常に作動するためにはアースが重要な役目を果たします。
ブレーカーから出ていった電気は仕事を終えてまたブレーカーに戻ってきますが、この時に出はいりする電気の量は等しくなります。
漏電が起こった場合、アース線が接続されていれば電気は大地に向かって流れてしまうのでブレーカーまで戻ってこなくなります。この状態をブレーカーは漏電と判断して電気を遮断しています。
突然の漏電、しかも夜で室内が真っ暗、どうしよう………
大抵の場合は複数あるブレーカーの中の一つに原因があります。それさえ分かれば一先ず他の部分の電気を利用する事は可能なので、少なくとも真っ暗闇の夜を過ごさなくて済みます。
以下の手順で原因となるブレーカーを調べる事が出来ます。
※元からOFFの位置にある安全ブレーカーは使用されていない予備です、メモなどに書きとめて最終的にはOFFにしておきましょう。
安全ブレーカーを上げていきましょう。
例えば左の上からというように順番に、ブレーカを1つ上げます。問題なければ下げます。これを繰り返していきます。
安全ブレーカーに場所の記載がない場合は「洗面所」「リビング」「キッチン」など、どこの電気が点くのか調べて置くのも何かの時に便利ですよ。
漏電ブレーカーが作動した場合は、その時にONしたブレーカーだけをOFFにします。
そして残りは全てONにします。
この状態で支障がない場合でも、必ず電力会社や電気工事店に連絡して点検を受けてください。
これはあくまで一時的に電気を使えるようにしただけに過ぎません。
漏電の原因にも色々あります。
場合によっては、はっきりした原因が見つからないという事もあると思います。
何かの機器が漏電しており動作した時にブレーカーが作動する。
それはモーターが回ったとき、ヒーターがONした時など、機器の動作タイミングや電源ボタンを押した瞬間かもしれません。
こういったケースでは、その機器が動かなければ漏電ブレーカーが作動しないので、原因を見つけるのに苦労します。
初めに漏電した時に動いていた機器を確認してみましょう。
一旦は漏電が起こったが、同時に機器自体が壊れて電気が遮断されたことにより漏電状態ではなくなった。
こうなってしまっては、漏電の再現が出来ないのでかなり大変です。
漏電ブレーカーが作動後に動かなくなっている(電源が入らない)機器があるのなら、それが原因の可能性が高いです。
例えば電子レンジから漏電が発生した場合で考えてみましょう。漏電とは本来流れてはいけない部分に電気が漏れ出してしまう現象です。
アースが接続されていない場合、電子レンジから漏れ出た電気はどこへも行き場がないので表面でとどまっています。 もちろん電気は目に見えないので、見た目上は何も起きていません。
そこに人の手が触れた場合はどうなるでしょう? 人の手という道が出来た電気はそこに向かって流れるので触れた人は当然感電してしまいます。
しかしアースが接続されていれば、漏電が発生した時点で漏電ブレーカーが作動し電気を遮断してくるので安全です。
例えばご家庭にある電子レンジや洗濯機などアースの取付が推奨されている機器にアースが取付されていない場合
ご自身で取付する事ができます。ほとんど場合製品本体から出ているアース線をコンセントのアース端子にねじ止めするだけです。
最近の住宅ではアース端子付きコンセントが標準化しつつありますが、無いところもまだまだ多いようです。
器具についているアース線がコンセントまで届かない場合、アース線を延長する事で対応することが可能です。アース線はホームセンターで簡単に購入することが出来ます。
お近くの電気工事店(販売店や町の電気屋さん)に相談してください。
アース工事は有資格者が行う必要があります。水道管やガス管にアース線を接続するような事はキケンなので絶対にやめましょう。
水気や湿気のある場所で電気器具を使用する場合、法令によってアースの取り付けが義務づけられています。
では電子レンジや冷蔵庫、洗濯機などをアースなしで利用した場合はどうなるのでしょうか?
電力会社などの情報を見る限りは「アースを取りつけましょう」や「取り付ける必要があります」にとどまっています。
アースの取り扱いについては以下の法律と省令によって定められています。
ご興味のある方はことらからどうぞ
【電気設備に関する技術基準を定める省令】 【電気事業法】アースを取り付けないと感電するおそれがあると言いましたが、そもそも感電とは具体的にどういことなんでしょうか
何らかの原因で電気に触れてしまった場合、その電気は体内を抜けて地面に流れていきます。このような状態を感電と言います。
感電は単に電気が流れるだけではなく、それに伴う刺激を体に感じることになります。冬場にパチッとくる静電気も小さな感電になります。
感電した時に体内へ流れた電流の大きさによって人体へ及ぼす影響に違いがあります。下の表を参照してください。
関西電気保安協会「電気の情報」より
電流値 人体の反応 1mA ピリッと感じる程度(最小感知電流) 5mA 相当痛い(苦痛電流) 10mA 耐えられないほどビリビリくる(可随電流) 20mA 筋肉の収縮がはげしくて、 感電者自身で充電物から逃 げられない。呼吸も困難。 引き続き流れると死に至る。(不随電流) 50mA 短時間でも生命が相当に危険(心室細動電流) 100mA 致命的な結果を招く
表からわかるように100mAで感電したら命が無いという事ですが、100mAって?言われてもあまりピンとこないと思います。ミリだからなんだか小さいような感じもしますね。では一般的な家電の電流値を見てみましょう。
家電の種類 | アンペア数 |
---|---|
電子レンジ | 1.4A→1500mA |
全自動洗濯機 | 0.5A→500mA |
液晶テレビ(32インチ) | 0.25A→250mA |
扇風機 | 0.1A→100mA |
これじゃ扇風機にさえも感電したら命がないってこのとなの?
確かに数字だけを見るとそうなんですが、これはあくまでもそれぞれの機器に表示されている消費電力に対しての電流値です。仮にこれらの機器から漏電があり、誤って手を触れたとしても表記の電流値が体に流れるわけではありません。
人間の皮膚は乾燥した状態では2000~5000オームの抵抗があります。抵抗というのは大きくなるほど電気が流れにくくなるものです。但し、水にぬれた場合の話は別です。手が汗ばんだだけでも抵抗値は激減し、感電のリスクが高くなります。濡れた手で電気製品をさわると危ないとよく言われるのはそのせいです。
例えばお風呂で湯舟に入りながら使う電気製品があったとします。それが湯舟の中で漏電したら非常に危険です。この時の皮膚の電気抵抗ほぼ0だからです。
ちなみにTVや扇風機など、そもそもアースの無い電気製品は外側が樹脂で出来ていて絶縁(電気が流れない状態を作っている)されているので感電の可能性は極めて低くなります。
数ある電化製品の中でも電子レンジのアースについて取り上げられることが多くあります。
それは電子レンジがもし故障して漏電を起こした場合、感電のリスクが非常に高くなるという事です。
多くの方は電子レンジをキッチンに設置していると思います。
そもそもキッチンは湿気と隣り合わせの場所になります。
とくに調理中など水にぬれた手で電子レンジを触ってしまう事もた多々あると思います。
もちろん通常はそんな事で感電したいりはしませんが、故障で漏電した場合は最悪です。
最近では時短レシピとして多くの電子レンジを使った調理法が紹介されています。
煮込むのに時間のかかるような食材でも電子レンジなら数分で柔らかく仕上げる事が出来ます。
忙しい現代人にとっては「時短」と言う言葉についつい飛びついてしまいますよね。
このようなレシピの多くは調理の際に多くの水蒸気を発生します。
調理後に電子レンジの扉を開けると、水がしたたり落ちてきて慌てて拭取るなんてことも良くあるのではないでしょうか。
こんな状態で万が一電子レンジが故障して漏電したら、これまた大変です。
このように電子レンジは常に水と隣り合わせだということになります。
水を得た魚は生きが良くていい感じですが、水を得た電気は手の付けられない暴れん坊なんでアース線でしっかり繋いでおきましょう。
電子レンジにアースは必要ですか?→「必要です」
何故?→「安全のためです」
アース付けなくても動いてるからいいでしょう?→「ダメです」
何故?→「安全のためです」
漏電ブレーカーがあるので大丈夫でしょう?→「大丈夫ではありません」
何故?→「アースしていないと漏電ブレーカーは作動しません」
とこのような押し問答をしてる間に取付完了してしまうほど簡単にアースを繋ぐ事が出来る場合もあります。
電子レンジのコードを差し込むコンセントにアース端子があるなら、今すぐ取付けちゃってくださいね。
アースの線がアース端子に届かない!どうしょう。
もしアース線が短くて届かない場合、別のアース線とつなぎ合わせて延長することが出来ます。
手順としては比較的簡単なんですが、やり方によっては専用工具が必要になります。また延長するためのアース線も購入する必要あります。
線と線を手でねじってつなげたもの
これだけだと殆んどの場合引っ張ると簡単に抜けてしまいます。ここにビニールテープを巻いても同じ事です。アースをしたつもりで居て、何かの拍子に外れてしまって気付かないなんて事にならないようにしましょう。
このようなつなぎ方をするのであれば、せてめ収縮チューブや自己融着テープでしっかりまく必要があります。接続部分をハンダ付けしておけば間違いありません。
熱を加えることで径が縮むチューブのことです。用途として電線の保護や絶縁に使います。
例えば電線の繋ぎ目に被せてドライヤーなどで熱を加えるとピッタリと密着します。タイツを履くと足の形にピッタリとフィットしますよね、あの感じです。
正しく熱を加えるためには専用のドライヤー(工業用)が必要です。
見た目はビニールテープのように見えますが、普通のテープの様にめくっても粘着部分がありません。これは元々テープ同士がくっつくという性質を持っているので表面を薄い膜で覆いくっつかないようにしているからです。
使用する際にはテープをひっぱりながら巻き付けていきます。ひっぱることにより表面の膜がやぶけてテープ同士が融着します。
このテープは一旦くっつくとビニールテープの様に簡単に剥がす事は出来ません。剥がすときにはカッターナイフなどで切取ります。
必要な工具と部材
電工ペンチ、ニッパー、延長用アース線、圧着スリーブ。この中でも電工ペンチが2,000円前後します。しかもこの先使う予定がなければ、高い買い物になるので購入はよく考えて。
現在のアースの心線が1㎝になるようにします。心線が出ていない状態であればニッパーなどで皮を剥いて下さい。より線の場合はよじってまとめておきます。
別途用意した延長用のアース線も同様に心線を1㎝剥き出しておきます。
圧着スリーブの穴にどちらかの心線を奥まで差し込みます。アース線の皮が噛み込まないように注意します。より線の場合心線が一本もはみ出ないよう注意しましょう。
圧着ペンチで挟んで握りかしめます。
アース線の心線が単線なら差込形のコネクターを使って簡単に接続することが出来ます。これなら特別な工具も必要ありません。
差込コネクターはホームセンターの電材コーナーで簡単に手に貼ります。さすがに1個では売っていないと思いますが、数個入った袋で売っています。
街の電気屋さんに相談してみましょう。家電量販店ではそういった工事だけを受けてもらえないので、商店街にある昔ながら電気店がいいと思います。
料金は作業の内容で変わると思いますが、来てもらうだけでも数千円はかかると思って下さい。プロを呼ぶんだからそこは仕方ありません。
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