1電気工事士とは「一定範囲の電気工作物について電気工事の作業を行う」ために必要な資格です。
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簡単に言えば家の中に流れる電気、例えば各部屋にあるコンセントや照明に流れる電気の道を作るために必要な資格です
TV、冷蔵庫、洗濯機などを設置したり調整するために電気工事士の資格は必要ありません。
一定範囲の電気工作物について電気工事の作業を行う者には電気工事士の資格が必要です。
なんだか何を言っているのかよく分かりませんよね??
例えば新居を構えたとしましょう。あなたは近くの家電量販店に行き、テレビや冷蔵庫、洗濯機など色々な電化製品を購入します。
後日電気屋さんが購入した商品を持ってやってきて、取付や設定の後に取扱い説明などもしてもらえます。
しかしこの仕事では電気工事の資格はほぼ必要ありません。
もし購入品の中にエアコンがあれば取付るために電気工事士の資格が必要になります。
それ以外は運送屋さんでもいいって事になります。実際、量販店で冷蔵庫や洗濯機を買っても電気屋さんが来ないケースがほとんどだと思います。
電気工事士の資格が必要なものは、皆さんがあまり目にする事のない部分である電気の配線工事が主な物になります。
例えば家を建てる際にブレーカーを取り付けたり、照明やコンセントを取り付けるために壁や天井の中に電気の配線をします。
家だけでなくあらゆる場所で配線工事を行うためには電気工事士の資格が必要とされています。
電気工事士は電気を運ぶための道を作っていると考えてもらえば分かりやすいと思います。
電気工事士にはその中でも「第一種電気工事士」と「第二種電気工事士」という二種類の資格に区別されています。
「第一種電気工事士」の方がより大きな電力を扱う事が出来ます。よって作業する場所の大きさ(規模)が一戸建ての家と高層ビルのように差があります。
ここで一番初めのちんぷんかんぷんだった文章にもどります
「一定範囲の電気工作物について電気工事の作業を行う者には電気工事士の資格が必要です。」
これは電気工事法で定められており、無資格者が電気工事を行うと罰則として30万円以下の罰金か1年以下の懲役が科せられます。
資格があるという事はきちんと法律で定められているという事です。まぁいっかでやっちゃうと厳しい罰則が待っていますよ……
電気工事士の資格は、感電事故や漏電による火災など電気工事の欠陥による災害の発生を防止するためにあります。電気工事士の資格を取得するという事は、このような事故を起こさないという責任が伴うという事です。
「電気工事法」について詳しくは以下のサイトをご覧ください。
電気工事の受験資格には年齢、学歴、実務経験の有無などの条件は特に必要ありません。どなたでも申込を行う事で受験が可能です。
試験は「筆記試験」と「技能試験」があり、その両方に合格しなければいけません。
資格には2つの種類があり「第二種電気工事士」とその上位資格となる「第一種電気工事士」です。
どちらの場合も受験資格は同じです。
但し「第一種電気工事士」は試験に合格しても免状を発行するためには実務経験などの条件があります。
条件を満たしていない方は免状が発行されないので電気工事士として仕事を行う事は出来ません。
初めて受験される方で実務で活用するためには「第二種電気工事士」を取得するようにして下さい。
一言
受験は出来るが免状が取得出来ないというこのシステム、受験者側にっとは混乱のもとでしかない様な気がするのは私だけでしょうか。
しかも受験案内には注意書きとしてこの事が記述されています。
そりゃそうだろって気がしますが、まったく世にも不思議なお話です。
試験は年に1回行われます。6月上旬に願書が配付され、当年度の試験日など詳しい情報を確認する事が出来ます。
まず初めに筆記試験を行い、その合格者のみ次回行われる技能試験を受験する事が可能です。
技能試験で不合格となった場合でも、次期の試験に限り学科試験が免除となり技能試験のみの受験が行えます。
合格者定員を設けていないので、筆記試験では正解率60%以上で合格となります。試験会場は全国各地の大学や専門学校で行われます。
上期(6月)と下期(10月)の年に二回行われる。まず初めに筆記試験を行い、その合格者のみ約一ヶ月後に行われる技能試験を受験する事が可能です。
技能試験で不合格となった場合でも、次期の試験に限り学科試験が免除となり技能試験のみの受験が行えます。
合格者定員を設けていないので、筆記試験では正解率60%以上で合格となります。試験会場は全国各地の大学や専門学校で行われます。
電気工事士の試験に合格した方はお住まいの都道府県知事に申請する事により免状を取得する事が出来ます。
合格したら自動的に送られてくるわけではなく、けっこう面倒ですが国家資格なので手続きもそれなりなのでしょう。
免状は運転免許証と同じくらいのサイズの物で写真付きです。
お察しの通りこのサイズなので携帯の義務があります。
なので通常電気工事士の方で作業を行っている方は財布の中などに必ず免状を忍ばせているはず?です。
また「第一種電気工事士」の方は5年ごとに更新が必要で、その際に講習も受けなければいけません。
技術の進歩と共に常に学ばなければいけないという事です。
第一種電気工事士の合格者が免状を申請する場合には、一定の条件を満たして必要があります。
一番オーソドックスなパターンが第二種電気工事士取得後、実務経験の期間が5年以上となっています。
厳密にいえば電気工事会社で5年間デスクワークをしていた場合はダメって事になります。
電気工事の仕事と言っても多岐にわたる分野があります。
その範囲は町の電気屋さんから発電所の作業員まで、非常に広範囲に及んでいます。
細かく分けるとキリがないので、ある程度の分類をしておきます。
電気工事会社の規模によっては複数の分野を手掛けている場合もあります。また小さなところでは、もっと細かく空調だけを専門的に行っている工事会社もあります。
例えばあなたが鉄道に関わる電気工事をやりたいのであれば、鉄道専門に行っている電気工事会社を見つけてください。
電力会社から送られてきた大きな電力はそのままでは使う事が出来ません。
大きな工場や施設では高圧受変電設備を設置して、照明や空調に使えるように電気を調整しています。
これらの設備を設置したり維持管理を行うのも電気工事士の仕事になります。
電車の動力源は電気である事はご存知だと思います。
電気を使う以上ここはやはり電気工事士の仕事になります。
鉄道にも高圧受変電設備が必要になるので、高圧受変電設備工事と一部被るところもありますが、線路へ電気を供給するための設備などはより専門的な分野になります。
他にも信号設備工事や通信設備工事、線路だけではなく駅構内の電気設備もあるので電気工事士の仕事が盛りだくさんです。
電線を引いたり張り替えたりする仕事です。電気工事の中でも過酷な分野です。
外の仕事なので暑さ寒さとの戦いになります。また高所での作業となり危険も伴います。
作業はグループで行うためチームワークが必要になります。
工場、施設、ビル、マンション、住宅、など建物の電気設備全般を行う仕事です。
オールマイティーに何でもこなします。
分電盤から各所へ配線を引いたり、コンセントや照明器具の取付などを一手に担っています。
現場の規模によっても違いますが、戸建ての住宅などでは一人でコツコツやる場合もあります。
住宅、ビル、店舗、工場などに設置されている様々な電気設備機器の点検や不調がある場合には修理を行います。
機器内部の点検だけなら電気工事士の資格は必要ありませんが、接続されている電源(コンセントでない場合)を切り離すような場合には電気工事士の資格が必要になります。
苦労して取得した電気工事士の資格でも、取得しただけで仕事ができるという訳ではありません。
電気に関わる仕事をするための最低条件をクリアしたにすぎません。
求人情報を見ても必ず電気工事士の資格が必須とはなっていないと思います。
これは見習いとして手伝いをしながら仕事を覚えつつ、会社で電気工事の取得を援助してもらえます。
業種にもよりますが、資格だけ取得した未経験者がいきなり出来るような仕事は無いので、初めは資格があろうがなかろうが関係が無いという事です。雑用をしながら先輩の仕事を見て、聞いて覚えていくものです。
これから資格を取得して電気工事士なろうと考えているなら、まずは業界へ飛び込んで会社の援助で取得するというのもありだと思いますよ。
電気工事士の資格と施工出来る範囲についての詳しい解説はこちらの記事を参考にして下さい。
第二種電気工事士の資格で出来る工事の具体的な範囲とは
電気と知識