実際に工事に携わらない方でも電気関係に携わる方ならぜひ覚えておいてください
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これを理解出来ていないと電気工事士としてはちょっと恥ずかしいかもしれません。実際に工事に携わらない方でも電気関係に携わる方ならぜひ覚えておいてください。
一般的なタンブラスイッチは右へ倒すとON、左へ倒すとOFFという動作をするものです。
しかし、
三路スイッチは右へ倒すと右の回路、左へ倒すと左の回路というような動作をします。
電車が走る線路の分岐をイメージするとわかりやすいと思います。下の図では線路のポイントで進路の切替を行うのが三路スイッチです。
あれ?これじゃOFF出来ないじゃないですか。
その通り、
三路スイッチにはOFFするという概念がありません。ですが、分岐の先が行き止まりならスイッチOFFと同じことになりますよね。
一般的なスイッチと三路スイッチをよく見比べてみましょう。
照明のON/OFFなどに使う普通の片切スイッチには右側に印が入っています。これは、こちら側に倒せばONですよという目印になっています。
三路スイッチにはこの印はついていません。その理由は、状況によりONとOFFの位置が逆転してしまうからなんです。
片切スイッチの場合接点が一つなので「入」か「切」しかありません。
三路スイッチには接点が2つあるので、下図の番号でいうと「1」か「3」のどちらかと必ずつながる事になります。この二つの接点はスイッチから先で回路の組み方によって「入」にも「切」にもなりえます。
ではこの三路スイッチ、いったいどう使うのか?
三路スイッチは基本2個セットで使います。
1つの照明に対して二つの三路スイッチを使って回路を組みます。この回路は二つのスイッチAとBのどちら側からでも照明をON/OFFすることが出来ます。
三路スイッチは一つの照明を二か所でON/OFFさせる場合に使用するので、必然的に二つのスイッチは離れた場所に取り付ける事になります。
階段の上がり口に一つ、階段を上がりきった所に一つを設置します。
夜間に二階の寝室へ行くため階段の照明をつけて、上がったところで消す。ごくごく当たり前のことですが、このスイッチどちらか一方にしかなかったらものすごく不便だと思いませんか。
二階建て以上にお住まいの方なら階段を確認してみてください。そこに使われているのが三路スイッチです。
玄関を入った所に一つと、廊下のいづれかの場所に一つを設置します。
夜間に帰宅した際には玄関で照明をつけます。下駄箱にくつをしまって、廊下を進んで「ただいまぁー」とリビングに入る手前で消します。
出かける時にはその逆ですよね。
もしあなたのお家で「ここにもスイッチがあったら便利なのに!」と思うような場所があれば三路スイッチで解決できるかもしれません。もとちろん取付けるには電気工事士の資格が必要なので注意して下さい。
最近では照明のON・OFFをスイッチの変わりにセンサーを取付て自動で行います。
さきほどのシーンをもう一度おもい浮かべてみましょう。
玄関を入ったところで、自動的に照明が点灯します。廊下を進んでリビングに入る頃にちょうど照明が消えます。
スイッチを操作するよりずっと便利ですね。
センサースイッチが普及したことにより三路スイッチの出番も今後あまりないのかもしれません。
実際に三路スイッチを使った回路を見ていきましょう。
とは言っても
それほど大したものではありません。とても単純な回路なのでここで確実に覚えておきましょう。電気工事士の技能試験には必須ですよ。
赤のラインに電流が流れて照明が点灯している状態です。
スイッチAを操作した
スイッチAの接点が1番から3番に切り替わりました。
この回路はスイッチBの3番で途切れたので照明が消灯します。
スイッチBを操作した
スイッチBの接点が1番から3番に切り替わりました。
回路がつながったので照明が点灯しました。
スイッチAを操作した
スイッチAの接点が3番から1番に切り替わりました。
この回路はスイッチBの1番で途切れたので照明は消灯しました。
どうですか、
こうして動きで見るととても単純な回路でしょう。
でも一番初めに考えた人は賢い!と思いませんか。
1つの照明を三か所以上で入り切りするには三路スイッチと四路スイッチを使って回路を組みます。
イメージ的には三路スイッチ回路の間に四路スイッチを挟むという単純なものなので、ついでに覚えておきましょう。
スイッチを操作するごとに、二つの接点が同時に切替わります。
三路スイッチ回路の真ん中に四路スイッチを入れ図の上では平行に繋いでいます。実際には端子の番号で合わせて繋ぐと間違いないでしょう。
一度配線をたどって回路が繋がっていないことを確認してください。
四路スイッチを操作します。回路が繋がって照明が点灯しました。
図を見ながら、いずれのスイッチを操作した場合でもON/OFFが可能である事をシュミレーションしてみましょう。
さらにスイッチを増やしたい場合には、同じように四路スイッチを追加していくだけです。
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